受け継がれてきたもの
こんにちは。
工房担当の横山です。
さて今回は前回紹介したサイザル麻について、
もう少しご説明します。
サイザル麻はケニア全土で生えている
非常に一般的な植物です。
しかしこの麻を使ってバスケットを作るのは
ケニア人の中でもカンバ族が優れています。
ちなみにカンバ族は工房のあるマチャコス県や
周辺のマクエニ県やキツイ県に住んでいる民族です。
さてその理由は、
カンバ族が住む地域にあります。
カンバ族が住む地域は半乾燥地帯であり、
農業をするためには降水量が足りません。
そこで雨が少ない地域でも育つサイザル麻を、
副収入の為に加工し始めました。
その結果、バスケットやロープなどの製作が
昔から代々伝承されてきました。
なのでカンバ族の村に行くと、
時にはおしゃべりしながら、
時には歩きながら、
サイザル麻を織っている風景が見られます。
サイザル麻を編むという行為は、
彼女たちの中では日常的な行為なんです。
祖母から母へ、母から娘へ
受け継がれてきたこの技術も
近年海外からの輸入品に押され、
売れなくなってきている現状があります。
従来のやり方ではなく
新たな取り組みが今求められています。
そこでへこたれないのがカンバ族です。
サイザル麻を使った新たな製品作りや、
草木染めなどの染色手法を用いて
これまでの技術をさらに発展させていく
新たな取り組みを始めています。
伝統で受け継がれてきたものを絶やさず、
新たな価値を加えてさらに次の世代へ、
カンバ族の挑戦が始まっています。
そのお手伝いを少しでもできるよう
僕たちも彼女たちと日々、
様々なチャレンジに取り組んでいます。
横山