壊れかけのミシン





こんばんは。マーケティング部のひかるです。

今日はこちらのミシン事情とそれに関連する葛藤についてお話します。

 

サイザル製品をよりお洒落にするため革加工に挑戦しようと思い、

今までマチャコス街の様々な方に加工について教えて頂いてきました。

 

ところが、どこでサンプルを作っても上手くいきませんでした。

縫い目が曲がってしまったり、荒かったり、、、

細かい問題点のリストは伸びるばかり。

 

技術的な問題なのか、機械の問題なのか判断できず、

悩む日々が続いていました。

 

そんな中、先日、日本から強力な助っ人が現れました!

革職人の小椋豊義さん。

この度革加工ボランティアとしてはるばるケニアにいらしてくださいました。

(小椋さんについては後日詳しくご紹介します!)

 

現状把握のため、小椋さんと共に

革加工の協力者であるマチャコスの盲学校の工房に行き、

盲学校自慢のミシン室を見せて頂きました。

 

狭い部屋に何台も置かれた様々な種類のミシンを見て私が最初に思ったのは・・・

「古い」。

どのミシンも年期が入っていて手入れがされている様子がありませんでした。

 

早速小椋さんが一つのミシンの前に座られた途端、

大事なバネが一つないことに気付きました。

更に、ミシン針を変えようと思ったところ、

サイズが微妙に合っていませんでした。

 

ミシン室の管理者の方に聞いたところ、

このモデルのミシンの部品は簡単に手に入らないとのことです。

揃っている部品については定期的に油を指していないため黒くなっている物も。

 

むしろ、これだけ状態の悪いミシンでよく縫えている、と

小椋さんが感心されるほど問題だらけだったのです。

 

そもそも、これらの機械は全て中古品で、

恐らく届いた時点で既に問題を抱えていたのでしょう。

ところが、直し方も手入れの仕方も誰か教えてくれるわけではなく、説明書もないため、

盲学校の先生方が一生懸命、試行錯誤しながら対策を見つけてきたのです。

 

機械が壊れては、なんとか動くように直すという悪循環を繰り返していく内に

少しずつ歯車がずれていき、使いづらいミシンばかり増えたのです。

 

盲学校の先生方はとても研究熱心で向上心も高く、

決して怠けていたわけではありません。

やる気も技術もあるのに、それが活かせない環境が

革加工の現場でもあることに気付き、少し切なくなりました。

 

私たちは革のプロではありませんが、

私たちの活動を通じ日本の革加工の技術や知識が

少しでもケニアに浸透していけば、これほど嬉しいことはありません。