ケニアの草木染め事情②~染料編~
さて前回に引き続き草木染めについてのお話です。
今日は2回目ということで、染料のお話をします。
草木染めの染料は主に幹の皮を使います。
他にも木の葉っぱや根っこなどを使うときもあります。
今回は一般的な幹の皮をご紹介します。
当然ですが、染料となる木を探すことから始まります。
ケニアの地域に住む女性たちのアタマの中には、どの木が染料に使えるかちゃんと入っています。
この木は使えると教えてくれますが、恥ずかしながら最初の頃の私にはまったく見分けがつきませんでした。
全て同じ木に見えてしまい、彼女たちに笑われました。
さて次はその幹の皮をナイフで剥いでいきます。
木の幹は一周剥いでしまうと、木が死んでしまいます。
取り方にも彼女たちなりのルールがあります。
最近は雨季に入ったこともあり、畑の為に所々伐採された木があります。
その中にも染色に使える木があることもあります。
その様な時は無駄にせず、ちゃんと染料用に回収をしておきます。
この様にして撮ってきた幹の皮ですが、もちろんそのままでも使えます。
ただ私たちの場合、この幹の皮をパウダー状に加工します。
そうすることで色を無駄なく出し、同時に保存が可能になります。
これも彼女たちの発想であり、代々行われてきた地域もあります。
まずは取ってきた幹の皮を2~3日乾燥させます。
その後、木の棒と臼を使って丁寧にすり潰していきます。
これで染料材が完成です。
この様に染料1つと言えど、それを作る為には多くの過程が存在します。
もちろんこれらの作業を全て手作業で行っています。
草木染めの色は、まさに自然の恵みから得ています。
彼女たちは自分の持つ資源を上手く利用し、活用して来ました。
日々自然と共に生きてきたケニアの女性たちだからこそ培われた技術の結晶というのは言い過ぎでしょうか。
では次回は実際に染色するところをご紹介しようと思っています。
お楽しみに。
横山(工房)