ケニアの草木染め事情③~染め編~
今回はいよいよ草木染めの染めの段階についてご紹介します。
当然ですが、染める為には最初にお湯を沸かせねばいけません。
日本ではスイッチ1つでガスが来ますが、ここではそうはいきません。
まずは木屑と水を用意します。
私たちの工房の周りには他の業種の工房も多くあります。
特に家具屋さんが多い為、加工の際に出た木くずを安く購入することが出来ます。
なので、元々は炭を使うかまどを使っていましたが、現在は木屑を使うかまどを使っています。
また私たちの工房には水道もありません。
なので、タウンにいる水運び屋さんに水を運んでもらいます。
1回につき約100ℓの水を買う事が出来ます。
さてようやく準備が整いました。
ここから火を付け、水を沸かし始めます。
染色を担当すのはケニア人スタッフのマウロです。
マウロはこの1年ずっと染色を担当しています。
始めては火を起こすのを手伝ってもらう程度でしたが、今ではお願いすれば彼ひとりで染色することが出来る様になりました。
ちなみに、日本で販売しているバッグやバスケットのほとんどは彼が染色をしています。
草木染めの染め方はいたってシンプルです。
沸いたお湯に染料を入れ、色を確かめます。
目指している色が出ていれば、染めるサイザル糸を入れます。
あとは数十分沸かせば、終了です。
必要に応じてソーダ灰を入れ、色の変化を出したり、色止めを行ったりします。
工房で本格的に草木染めに挑戦し始めたのは9月の終わりです。
約1ヶ月経ち、マウロも草木染めにだいぶと慣れてきました。
ただ、まだ狙った色を出す為に挑戦する日々が続いています。
天然物であるが故、同じ染料でも毎度完全に同じ色が出るとは限りません。
また同じ木の幹でも、木の種類によってやり方が異なる場合もあります。
色を抽出するために手順や煮る時間などを変える必要もあります。
ここマチャコスではもうすぐ雨季が始まります。
現在はまだ木の幹が中心ですが、いずれは花や野菜などにもチャレンジしてみたいと思っています。
横山