ケニアの草木染め事情⑦~花木編~





前回のブログでケニアのバレンタインデイについて少しお届けしました。

当日は赤いバラを持った男性が街中にチラホラ。 

さて、今回は草木染め実験の花木編をお届けします。

ケニアで有名な花木からどんな色が出るのかトライしてみました。

 

まず紹介するのは、ナンディフレーム(和名:カエンボク)と呼ばれる花木です。

東アフリカ原産の木で、ケニアの桜と呼ばれているジャカランダ、そしてホウオウボクとあわせて世界三大花木と呼ばれるそうです。

花言葉は、「名声」です。

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この花木の花弁と葉っぱを使って草木染めを行ってみました。

ただ残念ながら、花弁からは上手く色を抽出することはできませんでした。

しかし、葉っぱからは少し濃い目の黄色を染めることが出来ました。

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お次はこちら、ブーゲンビリア(和名:イカダカズラ)です。

魂の花と呼ばれ、こちらの花言葉は「あなたしか見えない」です。

なんともロマンチックな花ですね。

どうやら花に見えるこの部分は花を取り巻く葉で、実際の花は中央にある小さな白い部分だそうです。

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こちらも花弁と葉っぱを使って草木染めを行いました。

結果は、、、どちらも色を得ることは出来ませんでした・・・。

インターネットで調べた時、ブーゲンビリアは草木染めで使われる草木と書いてあっただけに残念です。

サイザル麻と相性が悪いのか、染料の量が足らないのか。。。

よい方法があれば是非教えてください!

 

最後はこちら、ランタナと呼ばれる花木です。

様々な色の花をつけることから、和名ではシチヘンゲ(七変化)と呼ばれています。

南アフリカ原産なのですが、繁殖力が強くケニアでも色々な所で生えています。

(世界の侵略的外来種ワースト100に選定されているとか)

花言葉は、「合意、協力、確かな計画性」です。

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同様に花弁と葉っぱで実験してみました。

ただどちらもよい色を得ることが出来ませんでした。

 

しかし、私たちはあきらめませんでした。

こんな綺麗な花を咲かせるのだから、きっと何か色素を持っているはずです。

実験を繰り返すうちに、私たちは自然の神秘を体験することになりました。

 

たまたま現地語でムディンディと呼ばれる花木の葉っぱを混ぜた時のことです。

これまで全く反応のなかったサイザル麻が鮮やかなオレンジ色に染まりました。

何が理由かは正直わかりません。

でも、2つの葉っぱと混ぜることにきっと意味があるのでしょう。

自然の力に感動した一瞬でした。

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まだ鮮やかなオレンジを一定して出すことは出来ません。

草木染めにおいて色の再現性はとても大事です。

現在、鮮度や比率などを変えながらコツを掴む為に実験を繰り返しています。

 

ケニアでとても有名な花木をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

意外と日本でも知っている花が、遠く離れたここケニアでも身近な花木として親しまれています。

 

前述したとおり、草木染めはまだ課題が山積しています。

綺麗な花だからと言っていい色が出る訳ではなく、他の花木と混ぜることで色を得ることが出来ることもあるし、同条件でも同じ色が再び出せるとは限りません。

これらの実験は本当に毎度自然の偉大さを感じさせてくれます。

 

日本ではもうすぐチューリップや梅、桜の季節がやってきますね。

ちょっと目についた道端に生えている花や草木で白いハンカチに染めてみるの、おすすめですよ。

 

(生産担当:横山)