雨降りケニアから、雨やどりのすすめ





アフリカで私が密かに好きな時間。

それは、雨やどりです。

 

最近、ケニアでは雨季が始まり

朝から晩まで降ったり止んだり。

真っ青な空が見えているのに突然雲が現れてきて

土砂降りの雨に見舞われます。

f:id:amberhour:20161122084624j:plain

(ストロボを焚かなくても写る大粒の雨)

 

そんな時はとにかく、避難するのが一番!

一番近い屋根を見つけて、雨やどり。

知らない人たちと会釈しながらひたすら、

雨が過ぎていくのを待つのみです。

 

不思議なことに、私は日本で雨やどりをした記憶が

あまりありません・・・

常に天気予報をチェックしているからなのか、

それとも、嵐のとき以外は

折り畳み傘で何とかなってしまう雨だから?

 

ケニアの雨はとにかく雨脚が強い!

先日、山中の村からの帰り道、

バイクの後ろに乗っていたら運悪く降られましたが

大粒の雨が顔に当たってあまりに痛くて

1年分の「鬼は~外~♪」を味わった気分でした。

 

この時も、やっと見つけたお店の屋根を借りて

30分ほど雨やどり。

f:id:amberhour:20161122085208j:plain

(雨を眺めるバイクのお兄さん。何もない山道でお店が見つかって助かりました・・・)

 

私たちの工房でも、大雨が降り出すと

ちょっとした騒ぎになります。

 

まず、トタン屋根なので音がうるさくて

お互いに怒鳴らないと何も聞こえません!

パチンコ屋さんのような騒音の中

「雷が落ちる、電気を消して!」

「干していた糸を中に入れて!」

とそこら中から大声の指示が飛びます。

 

次に、雨漏りが始まります。

トタンの間を縫って漏れてくるので

その線上の物を急いで退けなければ!

 

更に、隣の大工見習いのお兄さんが

「チャンスだ、チャンスだ!」とやってきます。

隅にある100Lの水がめをわざわざ外に出して

屋根から落ちる雨水を溜めてくれます。

f:id:amberhour:20161122085141j:plain

工房には水道がなく、

お水はいつも買ってくるので

これも大助かり。

 

わー、きゃー、とたくさん騒いだ後

少し気持ちが収まってくると

今度は妙な静けさが訪れます。

 

怒鳴るのに疲れるのか、

凄まじい雨に魅了されてしまうのか。

仕事の手は動かしながらも

意識はどこか、外の雨にあります。

 

私の勝手な意見なのですが、

私が雨やどりが好きな理由って

その時、その場にいるみんなが

「平等」だからかもしれません。

 

お金持ちもそうでない人も、

日本人もケニアの人も

大家さんも大工さんも織子さんも、

自然にあっけなく負けて

ひたすら晴れを待つ時間。

 

みんなが空を見上げていて

ちょっと寒そうにしていて

椅子があれば席を譲り合って

ただただ、待つ時間。

 

急いている日々の中で

無理やり休憩させられているみたいで

ちょっとホッとします。

 

雨が上がると、次の問題が。

工房の表のぬかるみがひどいことに・・・

沈まずに歩くのに一苦労!

 

すると、また新たな救世主が。

「ちょっと待っててね~」と

これまた別の近所のおじさまが

まず木くずを撒いて地面を固め

重い石を丁寧に並べて足場を作ってくれます。

f:id:amberhour:20161122085639j:plain

試しに、「1、2、3、渡れた!」と

石の上を歩いて見せると満面の笑み!

片言のスワヒリ語の私と英語の喋れない彼が

言語を超えた笑顔のハイタッチ。

 

しかも、この木くずと石の景色

ちょっと秋らしくておしゃれじゃないですか?

f:id:amberhour:20161122090202j:plain

工房からの帰り道、

白々しく晴れた空を見上げると遠くに

お約束の虹が掛かります。

f:id:amberhour:20161122090543j:plain

皆さまも、突然の雨に降られたら

ときには雨やどり、してみませんか?