ケニアの「おもてなし」





こんばんは。マーケティング部のひかるです。

今日は、とある日曜日についてお話します。

 

7月最後の日曜日、工房のスタッフさんの一人であるケントン君が

私とボランティアの小椋さんをお家に誘ってくれました。

こちらに来てからあまり現地の方のお家にお邪魔する機会がなかったことと、

誘われたことが嬉しくて、少しオシャレをして待ち合わせ場所に向かいました。

 

3人でケントン君のお家へ歩き始めて15分後、山のふもとにやってきました。

「ん?ケントン、もしかしてあなたのお家って山の上?」と聞いたら

「そうだよ」と言って軽快なステップで岩の間を登り始めました。

ワンピースを着たことをちょっと後悔するくらい、立派なハイキングコースでした。

 

出発から1時間程歩いてやっとケントン君のお家に着きました。

茂みの向こうで牛が2頭出迎えてくれて、かわいらしい煉瓦の建物が現れました。

 

山の上の方にあるためマチャコス街の全貌が見えて、

「夜になると遠くの電灯が点いてきれいなんだ」と誇らしげに語っていました。

ケントン君はそこにご両親と姪っ子さんと共に暮らしているそうです。

 

 

到着後、ケントン君のおもてなしがスタートしました。

飼っている牛やヤギを撫でさせてくれて、

裏の畑の作物を見せてもらい、

家族の方々と一緒に豆を剥き

新鮮なお豆のスープと焼き立てのチャパティ(薄いパン)をお腹いっぱい頂き、

  

映画を見ながらおしゃべりをし、

姪っ子さんと近所を散歩しました。

 

土が割と肥えているらしく、

バナナ、コーヒー豆、マカダミアナッツ、レモン、アボカド、とうもろこし、等

たくさんの植物が育っていました。

 

日が暮れる前に帰ろうとしたら

畑でご家族と一緒に採ったお豆を大量にプレゼントしてくれて、

私が足を滑らさないように気を付けながら

山のふもとまで送ってくれました。

 

電気がないのに私たちのためにわざわざ500m離れたお家から、

電気コードを引っ張ってきてくれたり。

水道がないのに、遠くの川から汲んできたお水を

手洗い用にわざわざ温めてお湯にしてくれたり。

質素な生活の中で私たちのために、

たくさんの優しくさりげない「おもてなし」を見せてくれました。

 

私は彼の生活を決して「貧しい」とは思いませんでした。

でも、彼が毎日1時間かけて歩いている道を自分で歩いてみて、

「工房のお給料を貯めて牛の干し草用の小屋を建てるんだ!」

と笑顔で語る彼を見て、

一生懸命植物を紹介してくれる中学2年生の姪っ子さんの隣を歩き、

改めて、気が引き締まりました。

 

日々の作業に追われ、少しネガティブになっているところに来た突然のお誘い。

もう一度、自分の仕事の原点を思い出すきっかけになりました。

 

来週、一度日本に帰ります。

3ヶ月間という短い間でしたが、毎日が本当に濃く、充実した毎日でした。

ケントン君のような素敵な出会いもあり、ますます仕事への想いが強くなりました。

 

この強い思いを胸に、今度は日本で、アンバーアワーの活動を広めたいと思います!

 

それでは、次回は日本から。