高品質のサイザル麻を求めて③~女性グループ訪問編~





今回はサイザルの糸を撚ってくれている女性グループへの定期訪問についてご紹介します。

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約3週間から1ヶ月に1度、私たちはそれぞれの地方に住む彼女たちを訪問し、作ってくれた素材を回収しています。

しかし実はこれが結構な大仕事なのです。

それは、彼女たちは中心都市からほど遠い村で暮らしているからです。

 

ケニアでは主要道路以外の道は舗装などされていません。

一歩奥の道に踏み込めば、そこは未開の地です。

そんなガタガタ道を時にはミニバスで、時には歩いて通り抜けていきます。

小さな細道をアップダウンを繰り返しながら進んでいく時の気分は、もはや軽い登山です。

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それに加え、最近ケニアでは雨季が始まりました。

そのため、普段は通れるはずの道が小さな川になっていることもあります。

もちろん橋などないので、間隔ごとに石を沈め、その上を歩いて渡ります。

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そんな小さな冒険を経て、私たちは彼女たちの村に辿り着きます。

グループは近隣の村に住む女性たちで構成されているので、彼女たちもミーティングの場所まで歩いてやってきます。

 

ミーティングでは作ってもらった素材の品質チェックと買取りを行います。

多くの女性達はとてもいい糸を作ってくれるのですが、中にはやはり買取基準に達しない品質のものも出てきてしまいます。

そんな時は一緒に撚りの練習をし、次回良い物を作れるよう共にトレーニングします。

また、彼女たちの多くは英語を話すことができません。

一緒に糸を作る練習の時間は、直接の会話が難しい僕にとっては彼女たちとの楽しいコミュニケーションの1つです。

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ミーティング後は、チャイ(ミルクティー)を作ってくれたり、歌を歌ってくれたりすることもあります。

 

多くの女性たちが関わっている分、問題や課題なども多々発生します。

時に言い争い、時に笑いあい、私たちは彼女たちと日々楽しく仕事をしています。

 

私たちの作る製品は本当にたくさんの人たちが関わることで生まれてきます。

私はよく女性たちに日本の写真を見せたり、日本のことを話したりします。

そうすると女性たちが身を乗り出して、とても楽しそうに話を聞いてくれます。

自分の撚った糸が遠く離れた日本に届いていることを楽しみにしながら、女性たちは日々紐を撚っています。

そうして紡がれた彼女たちの糸一本一本が私たちの大切な製品へと繋っているのです。

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横山