家具職人の聖地~ジュア・カリ
「ジュア・カリ」
スワヒリ語で「強烈な太陽」。
その名の通り、赤道間近の太陽の下、トタン屋根1枚の「お店」で、タイヤや靴の修理から家具作りまで、様々な仕事を青空工場で行う人たち。
早い・安い・うま…くはないこともしばしばだけど、厳しい生活の中で手に職をつけて働いています。
マチャコス中心街のジュア・カリといえば、家具。
エリア一帯が青空家具工場で、ベッド、ソファ、テーブルなどあらゆるものが作られています。材木カットマシーンからはひゅんひゅんと木くずが飛び出し、あたり一面は木くずのじゅうたん。そんなジュア・カリで、織り機用のスツール4脚を注文しにいきました。
(あらゆる家具を作る、マチャコスのジュア・カリ)
ケニアで、オーダーメイドで、スツールを作る。
全く相場が分からん…。
そこでいくつか相見積もりをとることにしました。しかし、どの職人さんに聞いても、総額どんぶり勘定で、一体何にいくらかかっているのか分かりません。それに、ケニア経験の浅い私でも、ちょっと高いと感じる値段。もしかしから外国人だから高めに言われているのかも…という疑問もぬぐえません。
そこでスタッフの友人のジュア・カリ家具職人さんに頼んだところ、材料費、人件費など必要なものを計算してくれました。予算範囲だと判断し、別の日に改めて注文しに再度足を運ぶことに。
ところがこの職人さん、いざ行くと、スタッフとカンバ語で何やら話した後どこかへ行ってしまい、待てど暮らせど戻ってきません。40分ほどでしょうか、フラフラと戻ってきた彼は、「忙しいから他の人に頼む」と言って、もう一人の職人さんを連れてきました。
すると今度は、もらった見積もりとは違う値段で交渉が始まり、ちょっとずつ上がっていくではありませんか!
ここで引き下がってはならぬ。
ハードニゴシエーター・マリナの一面が露わになり、つたないスワヒリ語を交えながら何とか差額を最低限に抑え、材木を切るところから取りかかってもらいました。
が、今度は木を切った後に「自分の機械じゃないから230シリング(約300円)で」と。
えー、100シリングって言ったじゃないかー!!
たかだか130シリングの差とはいえ、先に言ってよね…。
(織り機の前に並ぶスツール。なかなか立派な仕上がりに織り子さんは喜んでいます)
夕方、アンバーアワーの運び屋マステキ君の三輪車で、でき上がったスツールを取りにいくと、思いのほか立派。さすが、130シリング高くついただけあるわ!
翌朝、できたてのスツールに喜んで座る織り子さんたち。
これで少し体への負担が軽減され、終わり良ければ総て良し…と、てんてこ舞いのスツール作りが幕を閉じました。
(生産担当:マリナ)