見ザル・言わザル・・・サイザル!?
ケニアの小さな工房が職場となってから5か月。
これまで編み物すらしたことのない手作業の苦手な私が、サイザル麻でブックカバーを作る工程にかかわり、しかも品質管理や業務の基盤作りまで担当。
やれるだけ突っ走っていたら、思いのほか疲れたようで、ここ最近、ちょっと通勤拒否(?)気味でした。
というのも、自身の非力さを高~い棚に上げて申し上げると、ここのところ、どうも工房全体が上手く回っていないような感じがするのです。
例えば以前に書いた、ロゴ作りの作業工程。
効率良くやろうね、というだけでは伝わらない、このもどかしさ。
遅れるときは連絡してね、というだけでは連絡がない、この不思議な現象。
(ビックリ遅刻事件はこちら)
机の上には、獲ってきたぜと言わんばかりにドスンと置かれた10㎏のサイザルの撚り糸。一体いつしまうのかな…と口出しせずに様子を見ているのですが、どうやら回収までが仕事だと思っているのか、しまう気配がない…。
何度も言ってきたつもりなんだけどな…。
言っても伝わらないのは、私の言い方に説得力がないんだろうな。
こうなったら、背中を見て覚えてもらおう! と私がやってしまうと、やったもん負け、今度はそれが私の仕事になってしまう。
確かに商品の質も改善され、スタッフ全員の意欲も高まっていました。ホームページも出来上がり、販売にこぎつけるまで一緒にがんばってきたし、前に進んでいることは確かなのですが、ここ最近は、ブックカバーを織っていても、素材の撚りや大きさが不均一に織り上がり、その原因究明ができず、自信をなくし、プチスランプ状態。
こんなに課題がある…けど、ああ、見なかったことにしよう…。
言いたいことも山ほどある…けど、ああ、言わないことにしよう…。
もう、見ザル、言わザル、聞か… サイザル!?
(写真はチンパンジー…@Ol Pejeta Conservancy in Kenya)
そんな、心理的にも物理的にも「サル」だらけ状態。
これじゃあダメだ。
気持ちの入れ替えをすべく、先週末、 私のケニアのアニキを連れ立って、首都ナイロビから約3時間ほどの湖へ。湖面にペリカンがすっと降り立ち、対岸はフラミンゴでうっすらピンク色。心地よい風に吹かれながら、仕事のことも、人生のことも、丸ごと聞いてもらいました。
(エレメンタイタ湖。穏やかで気持ちよい風が吹く)
「どんな関係性でもリスペクトがあること。それがすべてだよ。」
リスペクト。
そう言えば、私のスピード感で動いて、ちょっとみんなを置き去りにしていたなあ。
リスペクトしているつもりが、どこかで一人よがりの空回りだったかもなあ。
その言葉を噛みしめるごとに、今まで溜めてきたらしい「サル」たちは「去り」、湖のように穏やかな気持ちが戻ってきました。
やっぱりきちんと見て、言って、聞いていかなければ、やったつもりにしかならないなと反省。
ホームページもリニューアルされ、手にとる方々ががっかりしないよう、気持ちを新たに向き合っていこう。
というわけで、どうぞみなさま、ホームページは見ざる…ではなく、ぜひ一度ご覧くださいね。
(生産担当:マリナ)