結ばれていた、深い信頼関係。~ケニア・サイザル織り糸作成グループ紹介~





今回から僕たちのブックカバーに使われるサイザル麻の織り糸を撚ってくれている女性グループを再びご紹介していきます。

過去にも2グループ紹介していますで、そちらも是非ご覧ください!(本文下にリンク有!!)

 

さて今回ご紹介する女性グループは僕たちにとって悲願だった『とある目標』を達成してくれた最初のグループです。

 

キトニーニと呼ばれる村、ここに今回の主人公となる女性たちが暮らしています。

工房のあるマチャコスタウンからミニバスで30分の田舎街です。 

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僕が地元NGOからの紹介で初めてこの地を訪れたのは半年前のことです。

彼女たちは真剣なまなざしで僕らの話を聞いてくれ、最後にはチャイ(ミルクティー)でおもてなしをしてくれました。

僕は彼女たちのやる気にとても嬉しい気分でいっぱいでした。

 

その1ヶ月後、初めての素材回収がありました。

結果、7名の女性が織り糸を撚ってくれていました。

 

中には少し太い物や品質が悪い物が混じってはいましたが、これは初めてということで仕方のないことです。

ダメなところ、直してほしいところなど色々と話をして、では次回となりました。

 

そして1か月後、期待して訪問したらまさかの出来事が起こりました。

なんと、織り糸を撚ってくれた女性が前回よりも減り、4名のみでした。

 

グループの女性は全員で20名以上います。

今回少しは増えるのではないかと思っていただけに、ショックを隠せませんでした。

 

僕は基本的にいつも笑顔で女性達と接しています。

しかしこの時ばかりは真剣な顔で彼女たちに話をしました。

「このままでは僕たちは今後みんなと仕事をすることが出来ない」と。

すると8名の女性達が集まってきて、私たちは今後も続けていきたいと僕に想いを伝えてくれました。

僕は彼女たちにもう1回頑張ってみよう!っとこの8名の女性達と固い握手を交わしました。

 

これで上手くいけばドラマみたいでかっこいいんですが、現実はそうともなりません。

その翌月、結果的に織り糸を撚ってくれたのは8名中5名の女性達でした。

ただ、このうちの1名の女性がなんと前回の倍の量の織り糸を撚ってくれていました。

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彼女の名前はメリーさんです。

彼女は今月がんばったその理由を教えてくれました。

「先月のようにあなたをがっかりさせたくなかったから」と。

 

その翌月、メリーさんの呼びかけのもと、今度は7名の女性が参加をしてくれました。

総量も2ケ月前の3倍まで増えました。

 

そして迎えた今月、なんとグループほぼ全員の20名が参加してくれました。

総量は合計で10㎏を超えました。

これは3ヶ月前の8倍もの量になります。

 

素材の管理をしている僕とケントンはこれまでずっとひとグループにつき月10㎏以上の織り糸を撚ってもらえることを目標に走ってきました。

しかし、なかなかそういったグループに巡り合うことも、グループが育ってくれることもありませんでした。

 

それが突然目の前に現れたのです。

僕たち2人は正直とても驚きました。

このグループが1番初めに達成するとは夢にも思わなかったからです。

 

実はメリーさんが今年よりグループのリーダーに就任していました。

メリーさんが旗振り役となり、グループ全体を盛り上げてくれていたのです。

 

ここまで来るのに長い時間がかかりました。

厳しいことも言った時期もありました。

けどその中で僕たちは信頼関係でしっかりで結ばれていたのだと思います。

 

メリーさんは「来月はもっと期待して」と僕に笑顔で言ってくれました。

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ケニアなど途上国で仕事をする場合、物事はスムーズには前に進みません。

1つのことをするのに、長い時間を要することは多々あります。

しかし、その中であきらめず、しっかりと相手と向き合っていくことで、自然と関係性が作られていきます。

するとそれがある日突然、目に見える形でポッと出てくることがあります。

 

彼女たちの頑張り・姿勢に僕は心から感謝と敬意を表します。

これからも彼女たち長ーっい、お付き合いをしていきたいと思います。

 

(生産担当:横山)

 

【過去記事!】