サイザルバッグと見捨てられたグループ・前篇~かつての活気を取り戻す為に~
工房のある街から車で走ること1時間半。
ケニャタと言うのどかな田舎の村に辿り着きます。
そこにはかつて、ある人たちから見捨てられた女性グループがいました。
このグループは昔サイザルバッグ作りを盛んに行っていました。
それは外国人のバイヤーが彼女たちに大量の注文をしていたからです。
次第に人数も増えていき、一時は数十人の女性達がバスケットを編んでいました。
編む人、編むための糸を撚る人、きちんと役割も組織化されていきました。
しかし、そんな日々も長くは続きませんでした。
突然外国人バイヤーが姿を消したのです。
しかも大量の注文を残して・・・。
その結果、彼女たちに残されたのは在庫の山でした。
外国人バイヤーが去った後、このグループの仕事量は激減したそうです。
そして、そのまま彼女たちのサイザルバッグ作りもストップしていきました。
彼女たちは町はずれにある小さな工房を拠点に活動しています。
僕がここを訪れた時、中には在庫の山が当時のまま残されていました。
行く先のなくなったバスケット達はただ積まれていました。
時間が経ち品質が悪化しているため、もう売り物にはならないでしょう。
これらを見た時、何とも言えない悲しい気持ちに包まれました。
サイザルバッグをチェックしていくと、デザインや形は綺麗に統一されています。
また形や大きさも様々な種類を作成しています。
彼女たちの技術の高さがよく分かります。
僕は決めました。
彼女たちとサイザルバッグ作りをしよう。
このグループのまとめ役でもあるペニーナさん。
彼女は再び織り子さんたちを集めてくれるよう僕に約束してくれました。
もう一度このグループに活気を取り戻そう。
僕とペニーナさんのサイザルバッグ作りの取り組みが始まりました。
っと言ってもここはケニアです。
何か始めるとお約束の様にトラブルや課題がついてきます。
女性達をまとめ、品質を高く維持していくのは大仕事です。
がしかし、ペニーナさんは信用できる仕事熱心なケニア人。
彼女とならなんとかやっていけるだろう、僕はそう思いました。
じゃぁ早速具体的な製作に入ろう!
っということで一番始めの工程である染色の日程を決めました。
僕たちが欲しい色を彼女たちと一緒に染め上げるのです。
この様な感じで意気揚々と始めたバスケット作り。
そんな矢先、予想だにせぬ問題が早速生じてしまいました。。。
その様子は、、、次週につづく。
(生産担当:横山)