ケニアの最新治安情報〜今のケニアを知る3つの視点〜
ケニアのイメージの1つとして”治安が悪い”というのがあるかと思います。
ケニアをオススメする人間としては、安全ですよ!言いたいところではあるのですが、今回ばかりはそうはいきません。
今の状況をはっきりとお伝えし、その上で安全に旅行を楽しんでいただける対策法を紹介します。
では、なぜケニアの治安が悪いでしょうか。
簡単にまとめると、3つの要因があります。
1つ目は、発展する上での代償です。
ケニアは昨年実質GDP5.7%と高い成長率を誇っています。
都市部は高層ビルが建ち並ぶ一方、地方は未だ成長の恩恵を受けていません。
物価も緩やかに上がり続ける中、地方の人々は仕事を求めて首都ナイロビにやってきます。
っとは言っても、ナイロビにも仕事はありませんし、帰る訳にもいかないのでスラムを形成します。
ナイロビにはアフリカで2番目に大きいキベラスラムが存在します。
その様なスラムや路上に住む人たちの一部が、スリや窃盗などを行って生活をしています。
2つ目は、民族間の対立です。
普段は平和で何も起こらないのですが、この対立が表に出てくる時が大統領選挙です。
各政党を支持する民族同士がぶつかり、時に紛争になることがあります。
2007年の選挙時はナイロビ危機とも呼ばれ、1,000人以上の死者を出したとも言われています。
その反省もあり、2013年に行われた大統領選挙は何事もなく、平和に終わりました。
ですので今では衝突もなく平和なケニアですが、過去にはこの様な歴史もありました。
3つ目は.南ソマリアを拠点とする”アルシャバブ"との戦いです。
2013年のケニアショッピングモール襲撃事件、2014年4月の大学襲撃事件は、日本のテレビでも報道されたので、記憶にある人も多いかも知れません。
どちらもソマリア南部を拠点とするイスラム勢力”アルシャバブ"が起こしたテロ攻撃です。
アルシャバブが隣国ケニアでテロを繰り返すのは、ケニア軍がアルシャバブ帰討を掲げてソマリアに軍事介入をした報復です。
また、ケニア国内でキリスト教徒がイスラム教徒の土地を奪ったことへの報復とも声明を出しています。
ケニア軍はソマリアへの攻撃を続けており、その関係性は悪化の一途をたどっています。
沿岸部に位置するケニア第2の都市”モンバサ”などはテロ対象の可能性が高く、注意が必要です。
さて、最後は少し大きな話になってしまいましたが、これが今ケニアで起こっていることです。
世界の国々を見た時に、決してケニアだけが治安が悪いということはありません。
何が問題で、どの様に治安が悪化したのかを知ることで、ケニアの今が見えてきます。
旅行の際にあまり気を使いすぎることはありませんが、雑学程度に知っていただければ安全対策に繋がると思います。
ここまでかなり恐怖を煽っちゃっていますが、次回ではどうすれば自分の身を守れるのかについてお話をします。
この内容は別にケニアに限ったことではなく、海外旅行に行かれる際は参考になる情報をまとめようと思います。
渡航すること15ヶ国、被害に合うこと3回の僕の経験をベースにお伝えさせていただきます。
お楽しみに。
生産担当:横山